小説『渡洋爆撃機富嶽-極北大作戦-』のサンプルが『月刊群雛 (GunSu) 2014年12月号』に掲載! ── 佐原晃さんへのインタビュー

月刊群雛 2014年12月号表紙

『月刊群雛 (GunSu) 2014年12月号』には、佐原晃さんの小説『渡洋爆撃機富嶽-極北大作戦-』のサンプルが掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? インタビューをご覧ください。

雲海の覇者―渡洋爆撃機「富嶽」極北大作戦

── まず簡単に自己紹介をお願いします。

 ペンネームは佐原晃(さはら・あきら)です。
 学研歴史群像新書で架空戦記を書いていました。代表作は『迅雷計画』シリーズ。現代で発見されたタイムトンネルを使って、宇宙開発事業団の元技術者・巻史郎が日本人を月に立たせるために太平洋戦争を改変するための商社『迅雷計画』を起業するお話でした。
 最も注目を集めたのは『時空改変空母越後』シリーズ。こちらは田中角栄政権時代の日本に戦艦大和と連合艦隊が帰港します。田中は、日本列島のタイムスリップに対処しようと米第七艦隊を接収し連合艦隊と共に事態に対処しようとするが、事態は単純に日本が過去にタイムスリップしたわけでは無かったというお話です。

── この作品の内容を簡単に紹介して下さい。

「太平洋戦争開戦後、混迷を深める戦局を打開するため山本五十六、石原莞爾、中島知久平らを中心とした試製富嶽委員会は、超重爆撃機富嶽を開発しようとする。だが、その開発は遅々として進まなかった。川崎飛行機の土井武雄技師の発案で、独逸製の超重爆撃機を購入する事となり、川崎飛行機の飯野武弘技師を中心とした渡洋爆撃機回航チームはフォッケウルフ社製の6発重爆撃機を選定する。ソ連諜報機関GRUの陰謀が錯綜する中、彼らは様々な独逸製兵器と共に日本への帰還を果たそうとするが……。」という感じです。

── この作品を書いたきっかけを教えて下さい。

 誠に幸いな事に、15年前のブームの頃に架空戦記を書いてみないかというお話をいただきましたので、当時目指していた技術者による技術者のための航空冒険小説的な架空戦記を書かせていただきました。

── この作品はどんな人に読んで欲しいですか?

 まず、最近架空戦記の出版量が減ったとお嘆きのあなたに。古き良き時代の、技術的要素を主体とした架空戦記として執筆しましたので。
 それから、スタジオジブリの『風立ちぬ』で、日本の航空技術者の活躍する話をもっと読みたいと思っている方にはおすすめですね。自分の描きたかった方向に近い作品が、あの映画なので。ドイツに派遣された日本の航空技術者集団を中心に、あの当時実在した川崎飛行機の土井武雄さんやフォッケウルフ社のクルト・タンク博士といった日本やドイツの航空技術者を重要な役どころで登場させています。それ以来、歴史上の実在の人物を作品内に登場させるのが、基本的なスタイルです。
 あと戦争映画が好きな方や、「ストライク・ウィッチーズ」や「ガールズ&パンツァー」からミリタリーにハマった方にも読んでもらいたいです。

── この作品の執筆にはどれくらい時間がかかりましたか?

 15年前も現在も、新書1冊書き上げるには3カ月かかっています。今回は初めて、自分で電子データを作成したわけですが、昔のテキストデータが何も残っていなかったので、スキャニングから文字起こしして、mobi形式の縦書きルビ付きデータを作りあげるのに1カ月ぐらいかかりました。

── この作品を書くにあたって影響を受けた作家や作品を教えて下さい。

 デビュー前に同人誌でパロディ作品を書いた事があるので、東郷隆(とうごう・りゅう)先生の影響は大きく受けていると思います。あと大好きな作家として筒井康隆(つつい・やすたか)先生、それから技術的な架空の戦記という意味では谷甲州(たに・こうしゅう)先生。それから、過去に師事を受けた事があるので、野田昌宏(のだ・まさひろ)先生といったところでしょうか。

── 注目している作家がいたら教えてください。

 西尾維新(にしお・いしん)先生と榊一郎(さかき・いちろう)先生、それから成田良悟(なりた・りょうご)先生と賀東招二(がとう・しょうじ)先生は本当に凄いなと思います。アイデアもさることながら、年間に作品を発表される量と、作品の質がハンパない。あの位書けるようになれると良いなと思います。

── 今後の活動予定を教えてください。

 現在、新作の戦記的なファンタジー小説を執筆中ですが、これについてはまだこれ以上詳しい事を書けません。あとは近々、ネット小説系のサイトで書きためていたものを発表することになると思います。それと、せっかくKDPアカウント作ったので、こちらでも継続して何かを。ただしKDPの方は、歴史やメカの解説本になる可能性がありますが。
 それから、pixivで執筆している艦これ二次創作小説『蒼き焔の不知火』ですが、イラストを描かれる事になった方が忙しすぎて止めている状態です。絵描きさんのご都合が付き次第、こちらも継続して執筆する予定です。

佐原晃さんの既刊サンプルが掲載されている『月刊群雛 (GunSu) 2014年12月号』は、下記のリンク先からお求め下さい。誌面は縦書きです。

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